こんにちは。電源LABO、運営者の「きっちゃん」です。
最近、ポータブル電源市場で「YOSHINO(ヨシノ)」というブランド、よく見かけませんか?
名前からして日本の会社っぽいですし、デザインもすごく洗練されていますよね。
でも、いざYOSHINOのポータブル電源がどこの国の製品なのか調べてみると、アメリカとか中国とか、いろいろな情報が出てきて「あれ、結局本社はどこ?」と混乱しちゃいませんか。
一部では怪しいなんていう評判も目にしたり…。
もしかして、ノーベル賞の吉野彰さんと何か関係が?なんて気になったりもします。
この記事では、そんなYOSHINOの正体について、製造国はどこなのか、日本法人は存在するのか、そして彼らの「固体電池」技術は信頼できるのか、ポータブル電源好きの視点から詳しく掘り下げていきます。
- YOSHINOの企業構造(本社、製造国、日本法人)
- 「固体電池」技術のすごい点と注意点
- 競合製品(LFP機)との違いと価格
- 日本での売れ筋モデルと販売店
YOSHINOのポータブル電源は、どこの国の企業?


「どこの国のメーカー?」という疑問、めちゃくちゃ分かります。
私も最初「吉野…日本の会社かな?」って思いましたから。結論から言うと、この会社、ちょっと複雑なグローバル構造を持ってるんです。
まずはその「正体」から解き明かしていきましょう。
本社はアメリカのスタートアップ
まず、YOSHINOの「本社」は、アメリカ(米国)にあります。
「Yoshino Technology」という会社名で、2021年にKevin Zhou氏によって、米国南カリフォルニア州で設立されたスタートアップ企業です。
公式ブログでも「米国ベースの企業」と自らを定義していますね。
経営戦略や、「SST」と呼ばれる固体電池技術の特許(IP)管理、そして洗練されたマーケティングの中心は、このアメリカの母体にあると分析できます。
新しい技術で市場に挑戦する、まさに「スタートアップ」らしい勢いを感じます。
製造国は中国(中華製)
じゃあ、製品はどこで作られているの?っていうと、これは多くのポータブル電源ブランド(EcoFlowやAnker、Jackeryなど、今や市場の巨人のほとんど)と同じで、製造国は中国(Made in China)です。
「え、中国製なの?」と不安に思う方もいるかもしれませんが、これはもう業界のスタンダードなんです。
世界中の電子機器が集まる巨大なサプライチェーンを活用し、製造コストを最適化するには、現時点では中国で生産するのが最も合理的です。
大切なのは「どこで製造したか」よりも、「どういう品質管理(QC)をしているか」なんです。
YOSHINOは米国企業の基準で、そのあたりをコントロールしているはずです。
日本法人のヨシノパワージャパン
「YOSHINO」っていう日本風の名前を使っているだけあって、日本市場への力の入れようもスゴイんです。
なんと、2023年1月には「株式会社ヨシノパワージャパン (Yoshino Power Japan K.K.)」という日本法人を東京都中央区に設立しています。
しかも、社長には桜田徹氏という日本人の方が就任されています。
これは単なる販売代理店(海外製品を仕入れて売るだけ)とはワケが違います。
日本国内にしっかり拠点を構え、日本の法律に準拠したサポート体制やアフターサービスを提供していくぞ!という「本気度」の表れです。
消費者としては、万が一の時にも日本語でしっかり対応してもらえるという安心感につながります。
YOSHINOのハイブリッド構造まとめ
- 米国(本社):経営戦略、技術開発(IP)、マーケティング
- 中国(製造):生産拠点、コスト最適化
- 日本(市場法人):ブランドの「顔」、国内販売、サポート
この「米国(IP)- 中国(製造)- 日本(ブランド)」という構造こそが、YOSHINOの巧みなグローバル戦略なんです。
「怪しい」という評判は本当か

こういう複雑な背景を見ると、「なんかYOSHINOって怪しい…」「結局どこの会社か分からない」と感じてしまう人もいるかもしれません。
ネットの評判を見ても、一部で「怪しい」という声が上がる理由は、おそらく以下の3点に集約されると私は見ています。
- 複雑な企業構造:「どこの国」かハッキリしない。
- 新しすぎる技術:「固体電池」が本当なのか?という懐疑論。
- 価格設定:競合と比べて明らかに高価であること。
でも、これらを一つずつ解きほぐしていくと、私個人の見解としては、「怪しい企業」というよりは、「革新的な技術を引っ提げてきた、野心的なプレミアム・チャレンジャー」という印象が強いです。
複雑な構造は「グローバル戦略」ですし、新技術は「イノベーションの証拠」、高価格は「プレミアムなデザインと技術への対価」と解釈できます。
この後のセクションで、その理由をさらに詳しく解説していきます。
ノーベル賞の吉野彰氏との関係
ところで、「ヨシノ」と聞くと、ポータブル電源好きならずともピンとくる名前がありますよね。
そうです、2019年にリチウムイオン電池の開発でノーベル化学賞を受賞された、日本の化学者・吉野彰(Akira Yoshino)博士です。
じゃあ、このYOSHINO Powerと吉野博士に何か関係はあるの?というと…
結論:直接的な関係は一切ありません。
YOSHINO Powerの公式情報にも、吉野博士が関わっているという記述は一切ありません。
また、日本に昔からある「株式会社ヨシノ (Yoshino Craft)」という高級調理器具メーカーとも、もちろん全くの別会社です。
とはいえ、ですよ。
リチウムイオン電池の「次世代技術」である固体電池を引っ提げて市場に参入してきた新興企業が、リチウムイオン電池の「父」と同じ名前を冠している…。
これを「単なる偶然」と片付けるのは、ちょっと無理がある気がしませんか?
これは、「吉野博士が切り開いた技術革新の、正統な後継者」というナラティブ(物語)を、暗黙のうちに市場に提示する、すごく巧妙な「インプリシット・マーケティング(暗示的マーケティング)」なんじゃないかなと、私は分析しています。
このブランド名だけで、無言のうちに「技術力」と「革新性」を補強しているんですから、脱帽です。
「どこの国」より注目すべきYOSHINOの技術
YOSHINOが「どこの国」の企業か、その正体は見えてきました。
でも、私たちが本当に注目すべきは、その出自よりも彼らが持つ「技術」なんです。ここからがYOSHINOを理解する上で、一番面白いところですよ!
世界初?固体電池の安全性
YOSHINOの最大のウリ、企業価値の根幹とも言えるのが、「世界初の固体電池(SST: Solid-State Technology)ポータブル電源」という、非常に強力なキャッチコピーです。
従来のポータブル電源、特に初期のモデルで使われていたNCM系リチウムイオン電池は、「可燃性」の「液体電解質」を使っていました。
そのため、過充電や外部からの強い衝撃によって、発火や熱暴走(サーマルランナウェイ)を起こすリスクがゼロではなかったんです。
YOSHINOは、この「液体」を「最先端の固体電解質」に置き換えた(と主張している)ことで、ポータブル電源が抱える2大課題を根本的に解決した、とアピールしています。
YOSHINOが主張するSSTの4大メリット
- 1. 圧倒的な安全性:
固体電解質は「不燃性」であるため、発火や熱暴走のリスクが本質的に排除される。これは防災目的で室内に置く場合、最大の安心材料になります。 - 2. 高いエネルギー密度(小型・軽量):
従来の電池より最大2.5倍もエネルギー密度が高いとされ、同じ電力容量(Wh)でも、より小さく、より軽く作ることが可能になります。 - 3. 長寿命:
劣化が少なく、最大2500サイクル(充放電を2500回繰り返しても、元の容量の80%を維持する)という、LFP(リン酸鉄リチウム)に迫る長寿命を実現しています。 - 4. 広い動作温度範囲:
B600 SSTモデルなどでは、「マイナス10℃~60℃」という過酷な環境でも使用可能とされています。
…ただ、この「固体電池」という言葉、マーケティング上の強力さとは裏腹に、技術的には重大な議論の的となっています。
【注意】「真の固体電池」なの?という議論
YOSHINOのバッテリーは、公式に「固体電池 Li-NCM」と明記されています。
これは、正極材に(最近主流のLFPではなく)NCM(ニッケル・コバルト・マンガン)系を使っていることを示しています。
一部の技術レビューや分解動画では、「セル内部に液体(のように見えるもの)が存在する」「電解質が完全に固体ではない」という指摘がされています。
どうやら、私たちがイメージする「電解質が100%カチコチの固体に置き換わった “全固体電池” (ASSB)」ではなく、固体電解質マトリックスに、イオン伝導性を高めるための高分子(ポリマー)や微量のゲル(または液体)を組み合わせた、「ハイブリッド型」または「半固体(セミソリッド)電池」である可能性が極めて高いです。
「誇大広告だ!」と批判する声もありますが、私としては「それでも既存の液体NCM系より安全性が大きく向上しているイノベーション」だと捉えています。
この技術的な「ニュアンス」こそが、YOSHINOの最大のリスクであり、面白さでもあるんですよね。
こうした次世代電池の開発は、日本政府も国策として推進しており、その重要性がうかがえます。
(出典:経済産業省『蓄電池産業戦略』)
口コミで注目の軽量デザイン


YOSHINOの製品を見て、まず「あ、カッコいい」「他のと全然違う」と思った人、多いんじゃないでしょうか?
私もその一人です。
それもそのはず、このデザインは、世界的なインダストリアルデザイナーであるイヴ・ベアール(Yves Behar)氏と、彼が率いるデザインスタジオ「fuseproject」との協業で生み出されました。
従来のポータブル電源市場に蔓延していた、「無骨」「技術的」「男性的」といったイメージから意図的に距離を置き、リビングルームや現代的なインテリアに置いても馴染む「ライフスタイルに溶こむ製品」を本気で目指しているのが伝わってきます。
デザインと技術の融合
YOSHINOのデザインには、主に2つの特徴があります。
- シグネチャーハンドル:
本体を縦または横に包み込むように配置された、連続的な金属製ハンドル。これがYOSHINOの象徴的な外観を作っています。 - ハニカム・パターン:
YOSHINOのロゴであるミツバチ(Bee)と連動する六角形(ハニカム)のパターンが、通気孔として機能的かつ美しく配置されています。
そして、ここで重要なのが、この洗練されたデザインは、SST技術による「軽量化」があったからこそ実現できた、ということです。
例えば、YOSHINO B2000 SST(1326Wh)の重量は約14kg。
それに対し、同クラスのLFP機は平気で20kgを超えてきます(詳細は次項の表で)。
つまり、「技術的優位性(軽量・小型)が、優れたデザイン(洗練・ポータブル)として物理的に現れている」んです。
このテクノロジーとデザインの完璧な相乗効果こそが、YOSHINOのプレミアムな価格を支える強力な論拠となっています。
口コミで「軽い」「持ち運びやすい」と評価されるのも当然ですね。
価格は高い?競合LFPと比較
さて、革新的な技術と素晴らしいデザイン。となると、当然気になるのはお値段ですよね。
…はい、正直に言って、価格は「高い」です。
最近の市場トレンドは、安全で長寿命、かつ価格もこなれてきた「LFP(リン酸鉄リチウムイオン)電池」を採用したモデルです。
EcoFlowのDELTA 2 MaxやAnkerのSOLIX F2000などがその代表格ですが、YOSHINOはそれらのLFP機と比べても、同じ容量(Wh)あたりの単価が割高になる傾向があります。
この大容量セグメントで、YOSHINOの立ち位置がどれだけユニークか、主要な競合製品と比較してみましょう。
【比較表】YOSHINO vs 競合LFP(2000Whクラス)
| モデル名 | ブランド | 容量 (Wh) | 定格出力 (W) | バッテリー種別 | サイクル寿命 (80%+) | 重量 (kg) |
|---|---|---|---|---|---|---|
| B2000 SST | YOSHINO | 1326Wh | 2000W | SST (Li-NCM) | 4000+回 | 約14.0kg |
| DELTA 2 Max | EcoFlow | 2048Wh | 2400W | LFP | 3000+回 | 約23.0kg |
| SOLIX F2000 | Anker | 2048Wh | 2400W | LFP | 3000+回 | 約30.5kg |
| AC200P | Bluetti | 2000Wh | 2000W | LFP | 3500+回 | 約27.7kg |
※注:サイクル寿命や重量はメーカー公称値(YOSHINOのサイクル寿命は2025年11月時点の最新公式スペック)。価格は変動するため記載を省略しています。
この表を見れば一目瞭然ですね。
YOSHINO B2000 SSTは、競合と比べて容量(Wh)がやや少ないものの、重量が圧倒的に軽い(14kg)。
競合LFP機が23kg〜30kgもあるのに対し、これはとんでもないアドバンテージです。
サイクル寿命が「4000+回」に更新されたことで、YOSHINOの立ち位置はさらに強固になりました。YOSHINOを選ぶということは、こういうことになります。
YOSHINO vs 競合LFP の構図 (最新版)
| 比較項目 | YOSHINO (SST) | 競合 (LFP) |
|---|---|---|
| 安全性 | ◎ | ◎ |
| サイクル寿命 | ◎ (4000+回) | ◎ (3000-4000回) |
| 軽量性(可搬性) | ◎(圧倒的) | △ |
| 価格(コスパ) | △ | ◎(コスパ良) |
| 容量(価格比) | △ | ◎ |
最新のスペックで比較すると、YOSHINOはLFPの弱点である「重さ」を克服しつつ、LFPの最大の強みであった「長寿命」にも追いついた(あるいは追い越した)形になりますね。
したがって、選択の基準はより明確になります。
あなたがポータブル電源に「安全性」と「長寿命」を求めるのは当たり前として、LFP機の「重さ」を許容して「コスパ(容量単価)」を取るか、それとも「価格差」を許容してでも「圧倒的な軽さ(可搬性)」を取るか。
YOSHINOは、まさにその「軽さ」という決定的な価値に、いくらまで払えるか? を私たちに問いかけてくる、プレミアムな製品なんです。
販売店はビックカメラやコジマ

YOSHINOの製品、どこで買えるの?というと、公式オンラインストアはもちろんですが、そのプレミアム戦略を裏付けるように、2024年の秋から、なんとビックカメラ(27店舗)およびコジマ(43店舗)といった、日本を代表するA級の家電量販店でも取り扱いが始まっているんです!
これはすごいことです。
なぜなら、前項で熱弁したYOSHINOの最大の武器である「軽さ」は、スペック表の「14kg」という数字をネットで見るより、店頭で実際に持ち比べてみるのが一番分かりやすいからです。
競合のEcoFlow(23kg)の隣にYOSHINO(14kg)が置いてあって、両方を持ち比べたら…「え、軽っ!全然違う!」って、誰でもなりますもん。
この「体験」こそが、価格差を納得させる最も強力なセールスツール。こうした大手リテールと組んで「実店舗」戦略を打てるのは、YOSHINOのブランド力と本気度を証明していると言えますね。
日本の売れ筋はB300とB1200?
YOSHINOは日本市場向けに、かなり戦略的なモデルを投入しています。
全ラインナップ魅力的ですが、特に日本のユーザーニーズを的確に捉えているなと、個人的に「これは売れ筋になるな」と注目しているのが、以下の2モデルです。
B300 SST Pro(小型UPSモデル)


これは、在宅勤務中のPCやルーター、クリエイティブ系の機材などを守るのに最適な小型モデルです。
- SSTによる「安全性」:
室内に常設するからこそ、安全神話は重要。 - 高速「UPS機能」:
停電時、わずか0.02秒(20ms)でバッテリー給電に切り替わります。 - 絶妙な価格:
これら2つの機能を持ちながら、約6万円(税込59,900円)という価格設定。
東京などの都市部のマンション生活者にとって、「大型機は不要だけど、万が一のデータ消失は絶対に避けたい」というニーズに、まさにピンポイントで応えるモデルです。
B1200 SST(日本戦略モデル)


これがまた面白いんです!
このB1200 SST(容量1085Wh / 出力1200W)というモデル、実はグローバル(米国)ラインナップには存在しない、日本市場専用に設計された「防災モデル」なんですよ。
米国ではB660(約600Wh)の次は、B2000(約1300Wh)へと飛ぶのですが、日本にはその「中間」が投入されています。
これは、日本の「防災」市場の特性を的確に捉えた戦略です。
停電時に冷蔵庫(小型)や最低限の家電、通信機器を「安全に」数日間稼働させたい。
でも、B600では容量不足、B2000では価格も重量もオーバースペック…。
B1200は、まさにその「ちょうど良い」というスイートスポットを突いています。
もちろんUPS機能も搭載しており、「安全・軽量・ジャストサイズ」で、日本の防災意識の高い世帯主層から強い支持を集めそうですね。
YOSHINOポータブル電源がどこの国か、その結論
さて、長くなりましたが、最初の疑問「YOSHINOのポータブル電源はどこの国か」という問いに、私なりの結論をまとめます。
YOSHINOのアイデンティティは、「日本」や「アメリカ」といった単一の国に帰属するものではありません。
【結論】YOSHINOの正体
YOSHINOは、「アメリカの技術(IP)と経営戦略」と、「日本のブランドイメージ(吉野という名が喚起する信頼感やノーベル賞の暗示)」を巧みに融合させ、それを「中国の巨大な製造力」で形にしてグローバル市場に挑む、非常にクレバーなハイブリッド型・プレミアム企業です。
「どこの国?」と一つの答えを求めるのが難しいくらい、戦略的に各国の良いところを組み合わせて、新しい価値(=安全で圧倒的に軽いポータブル電源)を生み出しているんです。
「固体電池」という技術的な革新性(たとえそれが「半固体」であったとしても)、イヴ・ベアール氏による洗練されたデザイン、そして「圧倒的な軽量性」という明確なメリット。
価格は確かに高いです。
でも、それは既存のLFP機とは全く異なる「可搬性」という価値への対価であり、新しい技術への「投資」とも言えます。
「重くても安いLFP」か、「高くても軽いSST」か。
YOSHINOは、私にそう問いかけてくる、今一番目が離せないポータブル電源ブランドだと、私は思います!
もちろん、新しい技術であり、高価な買い物であることに変わりはありません。
最終的な判断はご自身の目で、できればビックカメラなどの店頭で、競合製品と「重さ」を実際に持ち比べてから決めることを強くオススメします。
