こんにちは。電源LABO、運営者の「きっちゃん」です。
Amazonや家電量販店で、モバイルバッテリーや充電器を探していると、必ずと言っていいほど「Anker(アンカー)」の製品が目に入りますよね。
デザインも洗練されているし、性能も高い。
ガジェット好きならずとも、一つは持っているという方も多いんじゃないでしょうか。
でも、「Ankerって、結局どこの国が作った会社なの?」と疑問に思ったことはありませんか?
「元Googleのエンジニアが創業した」というストーリーを聞くと、なんとなくアメリカの会社かな?と思ったり、でも製品の多くは「Made in China」と書かれているし…と、ちょっと混乱する方も多いかもしれません。
実際、Ankerの現在の本社がどこにあるのか、そして日本法人であるアンカー・ジャパンとはどういう関係なのか、気になりますよね。
また、これだけ大きなブランドになると、製品の品質や、最近ちらほらと耳にするリコールの話など、長く使う上で重要な「信頼性」についても、しっかり知っておきたいところだと思います。
この記事では、そんなAnkerの「どこの国?」という素朴な疑問から、その急成長の秘密、さらには主力製品であるポータブル電源「Solix」シリーズの戦略まで、私が気になって調べた情報を分かりやすく、そして深く掘り下げて解説していきます。
- Ankerの設立国と現在の本社所在地
- なぜ「中国企業」なのに信頼性が高いのか
- 日本法人「アンカー・ジャパン」の重要な役割
- 主力製品(Solixなど)とリコールに関する実態
Anker(アンカー)はどこの国のメーカー?基本情報を解説

まずは、皆さんが一番気になっている「Ankerはどこの国の会社?」という核心的な疑問にお答えします。
この基本情報を押さえるだけで、Anker製品を見るときの「解像度」がグッと上がるはずです。
その設立背景や、特に私たち日本市場との深い関わりを見ていくと、Ankerがなぜこれほど人気なのかがハッキリと見えてきます。
結論:Ankerは中国・深圳発の企業
いきなり結論から言います。
Anker(アンカー)は、中国発のグローバル・ハードウェアメーカーです。
設立されたのは2011年。その場所は、中国・広東省の深圳(シンセン)です。
深圳と聞いてもピンとこないかもしれませんが、ここは今や「中国のシリコンバレー」とも称される、世界で最もホットな都市の一つです。
なぜそう呼ばれるかというと、ありとあらゆる電子部品メーカー、工場、そして優秀なエンジニアが巨大なエコシステムを形成しているからなんです。
アイディアを思いついたら、すぐに試作品を作り、テストし、量産体制に移る。このスピード感が桁違いなんです。
Ankerが設立当初から、高品質な製品を驚くほどのスピードで市場に投入できた背景には、この深圳という立地の利が間違いなくあったと私は思います。
現在のグローバル本社の場所はどこ?
設立は深圳でしたが、企業が急成長するにつれて、その体制も進化しています。
現在のAnkerの親会社である「Anker Innovations Co., Ltd.(安克创新科技股份有限公司)」は、そのグローバル本社を中国・湖南省長沙(チャンシャー)市に置いています。
深圳が「開発・製造の最前線基地」だとすれば、長沙は「グローバル戦略を統括する司令塔」としての役割を担っている、というイメージでしょうか。
深圳でのスタートアップから始まり、今やグローバル企業として長沙に本社を構えるまでに成長した、ということですね。
創業者は元Googleのエンジニア
さて、ここで多くの人が「Anker=アメリカの会社?」とイメージする最大の理由について触れます。
それが、創業者であるスティーブン・ヤン(Steven Yang)氏の輝かしい経歴です。
彼は米スタンフォード大学を卒業した後、なんとあの米Google本社のシニアソフトウェアエンジニアとして勤務していました。
まさにシリコンバレーのエリート中のエリートですよね。
そんな彼が2011年にGoogleを退社してAnkerを設立したわけですが、その動機がとてもエンジニアらしいんです。
「市場に出回っているノートPC用の交換バッテリーは、純正品は高すぎるし、互換品は品質が悪すぎる。それなら、高品質で手頃な価格のバッテリーを自分で作ろう」と考えたのが始まりでした。
この「ユーザーとしての不満」からスタートしている点が、Anker製品の根底にある「ユーザーファースト」の姿勢につながっているんだなと感じます。
Made in Chinaでも信頼される理由
「中国企業」であり、製品の多くが「Made in China」であるにもかかわらず、なぜAnkerはこれほどまでに「信頼できるブランド」として世界中で(特に品質に厳しい日本で)受け入れられたのでしょうか。
その秘密は、創業者スティーブン・ヤン氏や、彼と共に創業期を支えた他のGoogle出身者たちが持ち込んだ、徹底した「GoogleのDNA」にあると私は考えています。
データドリブンな製品開発
彼らがGoogleで培ったのは、ソフトウェアエンジニアリングだけではありません。「データに基づいて意思決定する」というカルチャーです。
Ankerは設立当初、販売チャネルをほぼAmazonに絞っていました。
彼らがやったのは、Amazonの膨大な商品レビューや検索データを徹底的に分析することでした。
- 「今の充電器の何が不満か?(例:充電が遅い、大きい、熱を持つ)」
- 「ユーザーが本当に欲しい機能は何か?(例:もっとポートが欲しい、もっと小さく)」
こうしたユーザーの生々しい不満点(ペインポイント)をデータから正確に特定し、その不満をピンポイントで解消した製品を、深圳のスピード感で迅速に開発・投入するというアプローチを採ったんです。
この「ユーザーの声(データ)を起点にした製品開発」こそが、「そうそう、これが欲しかったんだよ!」という高評価を生み出し、「高品質なブランド」というイメージを確立した最大の理由だと思います。
日本法人「アンカー・ジャパン株式会社」の役割

Ankerが日本市場でこれほど受け入れられている、もう一つの、そして非常に重要な理由。
それが日本法人「アンカー・ジャパン株式会社」の存在です。
2013年1月に設立され、本社は東京都千代田区(神田淡路町ワテラスタワー)にあります。
アンカー・ジャパンは、単なる製品の販売代理店や輸入窓口ではありません。
日本市場に深く根ざした「ローカライゼーション(現地最適化)」の戦略的拠点として機能しています。
具体的には、日本国内でのマーケティング、販売戦略の立案・実行はもちろんのこと、日本市場の独自のニーズを吸い上げ、それをグローバル本社の製品開発チームにフィードバックするという重要な役割を担っています。
その代表例が、今やAnkerの主力事業の一つとなったポータブル電源です。
もともと「PowerHouse」というブランドで登場しましたが、これは地震や台風などが多い日本の「防災意識」の高さに着目し、日本市場のニーズを汲み取って開発された側面が強い製品です。
これが世界的なヒットにつながっていきました。
手厚いカスタマーサポート体制
そして、私たち日本の消費者が最も安心感を覚えるのが、この手厚い国内サポート体制です。
海外メーカーのガジェットを買ったとき、「説明書が変な日本語だった」「故障したけど、問い合わせ先が英語のメールアドレスしかなかった」「修理に出すのに海外に送らないといけない」…なんて経験、ありませんか?
Ankerは、その不安を徹底的に排除しました。
アンカー・ジャパンのサポート体制
- 日本語での完全対応:
メールはもちろん、電話での日本語サポート窓口を自社で運営しています。 - 国内完結の保証対応:
Amazonや家電量販店など、どこで購入した製品であっても、故障や不具合の際は日本国内で返品・交換・保証対応が完結します。 - 長期の製品保証:
多くの製品で標準18ヶ月保証、さらに公式サイトでの会員登録(無料)で+6ヶ月延長され、最大24ヶ月の長期保証が付いてきます。
この「いざという時に、ちゃんと日本語で、国内で、迅速に対応してくれる」という絶大な安心感が、Ankerブランドへの信頼を決定的なものにしているんです。
「中国企業だから不安」というイメージを、アンカー・ジャパンの存在が完全に払拭してくれているわけです。
Anker(アンカー)はどこの国のメーカーか 知った先の製品戦略

さて、Ankerが「GoogleのDNAを持つ中国企業」であり、「アンカー・ジャパンの手厚いサポート」によって日本市場の信頼を勝ち取ったことがお分かりいただけたかと思います。
ここからは一歩進んで、「どこの国」という事実を知った上で、そのAnkerが「今、何をしていて、どこへ向かっているのか」という製品戦略について深掘りします。
実は、Ankerは単なる充電器メーカーではなく、私たちの生活のあらゆる場面に対応する「ブランド群」を展開しています。
SoundcoreやEufyなど多ブランド展開
Ankerは「ハウス・オブ・ブランド戦略」という、ちょっと難しい名前の戦略をとっています。
これは、P&G(プロクター・アンド・ギャンブル)などが得意とする手法で、簡単に言えば、「特定の製品ジャンルごとに、それぞれ独立した専門ブランドを立ち上げる」という戦略です。
皆さんも、「Anker」本体の名前とは知らずに、これらのブランド製品を使っているかもしれません。
Ankerグループの主要ブランド一覧
- Anker(アンカー):
グループの中核。モバイルバッテリー、GaN(窒化ガリウム)採用のUSB急速充電器、ケーブル、電源タップなど。パワーデリバリー関連。 - Soundcore(サウンドコア):
オーディオ専門ブランド。Libertyシリーズなどの高性能ワイヤレスイヤホンや、高音質Bluetoothスピーカーが絶大な人気。 - Eufy(ユーフィ):
スマートホーム専門ブランド。特にロボット掃除機 (RoboVac) シリーズが有名で、他にもセキュリティカメラや紛失防止トラッカーなどを展開。 - Nebula(ネビュラ):
スマートプロジェクター専門ブランド。Android TVを搭載し、単体でネット動画が楽しめるCapsuleシリーズ(缶ジュース型)などが大ヒット。 - Anker Solix(アンカー・ソリックス):
ポータブル電源および家庭用蓄電ソリューションブランド。次のセクションで詳しく解説します。
このように、各分野で「その道のプロ」としてのブランドイメージを確立することで、「充電器はAnker、イヤホンはSoundcore、掃除機はEufy」といった形で、Ankerグループ全体で私たちの生活を包囲する戦略をとっています。
主力事業ポータブル電源Anker Solix

そんな多ブランド戦略の中でも、今Ankerが最も戦略的に力を入れているのが、ポータブル電源と蓄電池のカテゴリである「Anker Solix」です。
もともとは前述の通り「PowerHouse」という名前で、日本の防災ニーズなどから人気に火が付きましたが、現在は「Solix」というグローバルブランド名に統一されています。
これは、単なる「持ち運び電源」に留まらず、家庭用蓄電池やソーラーパネルなども含む、より包括的な「パワーソリューション」を目指すというAnkerの強い意志の表れだと感じます。
キャンプや車中泊などのアウトドア需要はもちろん、昨今の防災意識の高まりを受けて、市場が急拡大している分野です。
Anker Solixの主なラインナップ
- Fシリーズ (例: Anker Solix F3000など)
3000Whを超える超大容量・高出力モデル。
ハンドル&キャスター付きで、別売りの拡張バッテリーを接続すれば家庭用蓄電池並みの容量にも。
停電時に家中の家電を動かしたい、といった本格的な防災ニーズに応えます。 - Cシリーズ (例: Anker Solix C1000など)
1000Whクラスの、いわば「ゴールデンサイズ」。キャンプで電気ケトルや小型冷蔵庫を使ったり、数日間の停電に備えたりするのに最適な、最も需要の高い売れ筋セグメントです。
完成度が非常に高いモデルですね。 - 小型軽量モデル (例: C300, C200 DCなど)
200〜300Whクラス。携帯性を重視し、日帰りレジャーや「ちょっとした電気の備蓄」に特化。
中にはACコンセントをあえて非搭載にし、小型化を追求したDC特化モデルなどもあります。
このように、ライトユーザーからヘビーユーザー、さらには家庭用まで、ニーズに応じて細かくラインナップが分かれているのがAnker Solixの強みですね。
安全性を高めるリン酸鉄リチウムイオンバッテリー
ポータブル電源って、何しろ大容量の「電気の塊」ですから、パワフルなのはもちろんですが、それ以上に「安全性」が気になります。
特に家の中や車の中で使うことを考えると、絶対に妥協できないポイントです。
Anker Solixシリーズの最大の強みであり、戦略的な核心とも言えるのが、バッテリーセルに「リン酸鉄リチウムイオン電池(LFPまたはLiFePO4)」を全面的に採用している点です。
現在、ポータブル電源に使われるバッテリーは、大きく「三元系(NCMなど)」と「リン酸鉄(LFP)」に分かれます。Ankerは、明確な意志を持ってLFPを選んでいるんです。
なぜAnkerは「リン酸鉄(LFP)」を選ぶのか?
それは、ポータブル電源という製品において、消費者が最も不安に感じる「安全性(火災リスク)」と「製品寿命(コスパ)」という2大不安を、根本から解決できるからです。
- 圧倒的な安全性(熱安定性)
LFPは、バッテリー内部の熱分解が始まる温度が約700℃と、三元系(約200℃)と比較して極めて高い特性を持ちます。
これにより、万が一の過充電や物理的な衝撃が加わった際の熱暴走(火災や発火)のリスクを根本的に低減できます。 - 卓越した長寿命(サイクル特性)
LFPは繰り返し充放電しても劣化しにくい特性があります。一般的な三元系のサイクル寿命が500〜1,000回(毎日使うと2〜3年)程度であるのに対し、Anker Solix C1000などは約3,000回~4,000回というケタ違いの長寿命を実現しています。
「10年使える耐久性」とも訴求されており、初期費用は高くても、長期的に見れば圧倒的にコストパフォーマンスが高いです。
このLFPのメリットを分かりやすく比較表にまとめてみました。
| 項目 | リン酸鉄(LFP) | 三元系(NCMなど) |
|---|---|---|
| 安全性(熱安定性) | ◎ 非常に高い (約700℃) | △ 比較的低い (約200℃) |
| サイクル寿命 | ◎ 非常に長い (3,000回以上) | △ 短い (500〜1,000回程度) |
| エネルギー密度 (重量) | △ 重くなりがち | ◎ 軽い |
| コスト | △ やや高価(レアメタル不使用) | ○ 安価(ただしコバルト等に依存) |
| Ankerの主な採用製品 | Anker Solix シリーズ | (他社製品やAnkerの一部モバイルバッテリー) |
以前は「LFPは安全だけど重い」というのが弱点でしたが、Ankerは最新モデル(C1000 Gen 2など)で、LFPの弱点だった「重さ・大きさ」もパッケージング技術で劇的に改善してきています。
これは本当にすごい技術の進歩だと思います。
さらに、AnkerはLFPセルを採用するだけでなく、高耐久な電子部品や、バッテリーの充放電を最適に管理するBMS(バッテリー・マネジメント・システム)などを組み合わせた独自の長寿命化技術「InfiniPower™(インフィニパワー)」も開発しており、製品全体の信頼性を高めています。
リン酸鉄リチウムイオン(LFP / LiFePO4)にもデメリットがあるのかこちらの記事で詳しく取り上げています。
⇒LFPの弱点?リン酸鉄リウムイオンバッテリーのデメリット
リコールは?品質管理の実態
Ankerの強み(GoogleのDNA、日本法人のサポート、LFPの安全性)をたくさん見てきましたが、ここでブランドの信頼性に関わる、目をそらしてはいけないネガティブな情報にもしっかり触れておきます。
ご存知の方もいるかもしれませんが、Ankerは2023年から2025年にかけて、一部のモバイルバッテリーやスピーカー製品で大規模なリコール(自主回収)を国内外で何度か発表しています。
原因は「電池セルの製造過程における不備」や「リチウムイオン電池の欠陥による発火リスク」とされており、実際に火災事故も報告されています。
【重要】リコール対象製品に関する注意喚起
Ankerは急成長を遂げた一方で、その拡大スピードにグローバルサプライチェーンの品質管理(QC)体制が追いついていない部分があるのかもしれません。
これは長年のファンとしては非常に残念であり、消費者として厳しく監視すべき点です。
もしAnker製品(特にモバイルバッテリー)をお持ちの場合は、ご自身の製品がリコール対象になっていないか、必ず一度アンカー・ジャパンの公式サイト、または消費者庁のリコール情報サイトで確認してください。
(出典:消費者庁 リコール情報サイト)
安全に関わる非常に重要なことなので、面倒くさがらずに、お手元の製品の型番をチェックすることをお勧めします。
このリコール問題(主に「三元系」リチウムイオン電池を使ったモバイルバッテリーで発生)があったからこそ、と私は分析していますが、Ankerはポータブル電源「Solix」シリーズにおいて、あえて「安全性」に優れたLFP(リン酸鉄)の採用を、これでもかというほど強くアピールしている側面があると思います。
これは、他の製品カテゴリで発生してしまった深刻な安全性への懸念を払拭するための、意図的な「戦略的対比(カウンター・ナラティブ)」とも言えます。
私たち消費者としては、その背景を理解した上で、「だからこそSolixはLFPなんだな」と納得し、賢く製品を選ぶことが大切かなと思います。
Anker(アンカー)はどこの国のメーカーか 総まとめ
最後に、「Anker(アンカー)はどこの国か」という最初の疑問について、この記事のポイントを総まとめします。
Ankerは「中国(深圳)で設立され、現在は中国(長沙)に本社を置くグローバル企業」というのが、事実としての答えです。
しかし、単なる「中国企業」という一言では到底語れない、特殊な背景と戦略を持った企業だということがお分かりいただけたかと思います。
Ankerの信頼性を支える3つの柱
- GoogleのDNA:
元Googleエンジニアによる「データドリブンな製品開発」とユーザー視点。 - アンカー・ジャパンの存在:
日本市場を深く理解した「手厚い国内サポート体制」と「ローカライズ戦略」。 - 戦略的な技術選択:
リスクを認識しつつ、Solixシリーズでは「安全性」と「長寿命」を最優先した「LFP(リン酸鉄)」を採用。
この3つが組み合わさることで、Ankerは「Made in China」でありながらも、「信頼できるグローバルブランド」としての地位を日本で確立しました。
リコール問題という品質管理上の重大な課題は抱えつつも、それを隠さず(とはいえ対応が遅いとの批判もありますが)、主力製品では安全性を最優先する技術(LFP)に舵を切るなど、その戦略には一貫性を感じます。
この記事が、「Ankerってどこの国?」という疑問の解消はもちろん、Ankerというブランドを深く理解し、今後製品を選ぶ上での参考になれば嬉しいです!
