ポータブル電源は、キャンプや車中泊、さらには災害・停電時の備えとして非常に便利です。
アウトドアブームや防災意識の高まりを背景に、一家に一台備える家庭も増えています。
しかし、いざという時に「ポータブル電源はどこで充電すれば良いのだろう?」と悩む方も多いのではないでしょうか。
自宅での充電が基本ですが、外出先での充電には様々な選択肢と、それぞれに潜む注意点が存在します。
例えば、車での移動中にシガーソケットを活用した車中泊での充電や、環境に優しいソーラーパネルを使った充電方法があります。
一方で、道の駅やカフェのような公共の場所での充電は、盗電という犯罪にあたる可能性や、充電料金に関するマナーが問われます。
EVステーションは基本的に利用できません。
また、製品の長持ち・寿命を考慮した適切な保管方法や、充電しっぱなしを避けるべきか、パススルー充電の可否、安全基準であるPSEマークの確認、USB充電器無しのモデルを選ぶ際の注意点など、知っておくべき知識は多岐にわたります。
この記事では、キャンプ場やRVパークといった公認の場所から、緊急時の充電タイミングまで、ポータブル電源の充電に関するあらゆる疑問に答え、その活用法を徹底的に解説します。
- ポータブル電源を充電できる具体的な場所とそれぞれのルール
- シガーソケットやソーラーパネルなどシーン別の充電方法
- 公共の場で充電する際の法律やマナーに関する注意点
- ポータブル電源を安全に長く使うためのメンテナンス知識
ポータブル電源 どこで充電すべき?基本と応用
- 車のシガーソケットで車中泊充電
- ソーラーパネルでの充電方法
- 災害・停電時の充電手段
- キャンプ場やRVパークの電源
- 道の駅やEVステーションの利用
- カフェでの充電はマナー違反?
- 盗電のリスクと充電料金
車のシガーソケットで車中泊充電

ポータブル電源を車で利用する方にとって、移動時間を活用した充電は非常に効率的です。
特に車中泊やキャンプでは、車のシガーソケット(アクセサリーソケット)を使った充電が最も手軽な方法と言えます。
製品にも専用のカーチャージャー(車用充電ケーブル)が付属していることがほとんどです。
ただし、この手軽さには大きな代償が伴います。
シガーソケットからの出力は、国産車の場合、一般的に約100Wから120W(12V×10Aなど)程度に制限されています。
これは、家庭用コンセントからのAC充電(数百W~1500W)と比較すると非常に非力です。
例えば、1000Whの大容量ポータブル電源を100Wのシガーソケットで充電しようとすると、単純計算でも10時間かかります。
実際には電力の変換ロスなどが発生するため、それ以上の時間を要することも珍しくありません。
したがって、シガーソケット充電は「満充電を目指す」ものではなく、「移動中に少しでも回復させる」「消費電力の少ない小型モデルを充電する」といった補助的な充電手段と考えるのが賢明です。
車のバッテリー上がりに厳重注意
シガーソケットからの充電は、必ずエンジンをかけた状態で行ってください。
車のバッテリーは、エンジンを停止している状態では電力を蓄えるだけで、発電はしていません。
その状態でポータブル電源のような大容量機器に電力を供給し続けると、短時間で車のバッテリーが上がってしまい、エンジンがかからなくなる危険性があります。
特に寒い季節やバッテリー自体が弱っている場合は、このリスクが格段に高まるため、絶対に避けるべきです。
頻繁に車中泊を行うなど、より効率的に車で充電したい本格的なユーザーには、シガーソケット以外の方法が推奨されます。
車のオルタネーター(発電機)で生成された電力を、より効率的にポータブル電源へ送る方法です。
車での充電方法 比較
車での充電には、手軽さや効率によっていくつかの選択肢があります。ご自身の利用頻度や目的に合わせて選ぶことが重要です。
| 充電方法 | 特徴 | メリット | デメリット |
|---|---|---|---|
| シガーソケット充電 | 12Vソケットから付属ケーブルで充電 | 手軽・追加コストゼロ・どの車でも可能 | 充電速度が非常に遅い(約100W) エンジン停止中は使えない(バッテリー上がりのリスク) |
| 専用走行充電器 (DC-DCチャージャー) | 車のバッテリーから直接電力を取り込み、昇圧して効率よく充電 | 充電速度が速い(シガーの数倍) エネルギー効率が良い(DC→DC) | 導入コストがかかる 設置に専門知識や工賃が必要な場合がある |
| バッテリー直結インバーター | バッテリーに高品質なインバーターを接続し、AC100Vを作り出す | 家庭用コンセント並みの高速充電(AC充電)が可能 | 専門的な電装知識と設置作業が必須 コストが最も高い DC→AC→DCという変換ロスが発生する |
頻繁に車中泊や長距離移動でポータブル電源を使う方は、初期投資をしてでも「専用走行充電器(DC-DCチャージャー)」の導入を検討する価値が十分にあります。
シガーソケットの手軽さは魅力ですが、その非力さを理解した上で、あくまで補助的なものとして利用しましょう。
インバーターについて、こちらの記事で詳しく取り上げています。
⇒インバーターとは?わかりやすく基本と役割を解説
ソーラーパネルでの充電方法

コンセントがない場所、すなわち「オフグリッド」環境で電力を自給自足できるソーラーパネル充電は、ポータブル電源の魅力を最大限に引き出す方法です。
キャンプや登山のベースキャンプ、あるいは停電が長期化する災害時において、太陽光さえあれば繰り返し充電できるため、非常に心強い存在となります。
多くのメーカーが、ポータブル電源本体とセットで折りたたみ式のソーラーパネルを販売しており、接続も簡単に行えるようになっています。
しかし、その発電性能は常に理想通りというわけにはいきません。
ソーラーパネルによる発電量は、天候や環境に大きく左右される点を深く理解しておく必要があります。
ソーラー充電の効率を左右する4大要因
- 天候:
当然ながら、雲一つない快晴の日が最も効率が高くなります。
薄曇りでも発電量は大幅に低下し、曇りや雨の日は発電量がゼロに近いレベルまで低下します。 - 時間と季節:
太陽光が最も強くなるのは、南中高度が高くなる正午前後です。
早朝や夕方、また太陽の角度が低くなる冬場は、同じ快晴でも発電量が減少します。 - パネルの性能(W数):
100Wのパネルより200Wのパネルの方が、理論上は倍の速度で充電できます。
ただし、この「W数」はあくまで実験室レベルでの理論上の最大値(ピーク電力)です。実際の発電量は、天候や設置条件によって最大値の30%~70%程度になることも珍しくありません。 - 設置方法:
パネル面に太陽光が直角に当たるよう設置するのが最も効率的です。
地面に寝かせたままでは効率が悪く、特に朝夕はほとんど発電しません。
また、パネル表面の土埃や鳥のフンなどの汚れも効率低下の大きな原因となるため、定期的に清掃することが大切です。
例えば、1000Whクラスのポータブル電源を充電する場合、100Wのソーラーパネル1枚では、快晴時で常に最大効率が出たとしても10時間かかります。
実際には前述の通り効率が落ちるため、満充電には2~3日かかることも想定すべきです。
もし1日で充電を完了させたい場合は、200Wパネルを2枚(合計400W)使うなど、余裕を持ったシステム構築が必要になります。
MPPT方式とPWM方式
ポータブル電源やソーラーチャージャーには、発電効率を高めるための制御方式があります。
現在主流の「MPPT方式」は、電圧と電流の最適なバランス(最大電力点)を自動で追従するため、常に高い効率で充電できます。
一方、旧来の「PWM方式」は構造がシンプルですが、MPPT方式に比べて発電効率が劣ります。
ポータブル電源を選ぶ際は、このMPPT方式を採用しているかどうかも一つのチェックポイントです。
このように、ソーラー充電は環境次第でパフォーマンスが大きく変わるため、「晴れていれば安心なバックアップ電源」として位置づけ、「充電できたらラッキー」くらいの心構えで運用するのが現実的です。
災害・停電時の充電手段

地震や台風などで大規模な停電が発生した際、ポータブル電源は情報収集(スマホ充電)や照明確保、小型冷蔵庫による食料保存のための命綱となります。
しかし、本体の電力を使い切ってしまえば、ただの重い箱になってしまいます。
ここでは、災害時や停電時という非常事態にポータブル電源を充電する方法を解説します。
主な充電手段
- ソーラーパネル
前述の通り、長期停電時に最も頼りになる手段の一つです。
日中であれば電力を生み出せるため、燃料の心配がありません。
また、騒音や排気ガスが一切出ないため、夜間や住宅密集地でも安全かつ静かに発電(日中にしておく)できるのが最大の強みです。 - ガソリン式発電機
天候に左右されず、夜間でも安定して高出力の電力を供給できるのが発電機です。
ポータブル電源を家庭用コンセントと同じ速度で迅速に充電できるため、非常に信頼性が高いバックアップと言えます。
ただし、燃料(ガソリン)の確保と、安全な保管・運用が必須です。 - 電気自動車(EV)やPHEV(V2L)
近年、防災の観点から急速に注目されているのが、「V2L(Vehicle to Load)」と呼ばれる機能を搭載した電気自動車(EV)やプラグインハイブリッド車(PHEV)からの給電です。
日産「リーフ」や三菱「アウトランダーPHEV」など、対応車種が増えています。
これらは車自体が「走る大容量蓄電池」となり、専用アダプターを介して1500Wなどの高出力を取り出せます。
一般家庭の数日分の電力をまかなえる大容量バッテリーを搭載し、発電機と違って静かでクリーンなため、ガレージ内や住宅地でも使いやすいのが特徴です。
【最重要】発電機使用時の致死的リスク:一酸化炭素(CO)中毒
ガソリン式発電機は非常に便利ですが、使用方法を誤ると命に関わる重大な事故につながります。
稼働中の発電機は、排気ガスの中に無色・無臭の猛毒である一酸化炭素(CO)を大量に排出します。
いかなる理由があっても、発電機を屋内(室内、ガレージ、物置、テント内、車内など)で使用してはなりません。
換気扇を回していても、窓を開けていても危険です。
閉鎖空間では一酸化炭素濃度が急激に上昇し、短時間で意識を失い、死に至ります。
(出典:経済産業省「発電機によるCO中毒・感電事故に注意!」)
必ず屋外の換気が良い場所で、建物や人から十分な距離を取り、排気の向きに注意して使用してください。
災害時には、これらの充電手段を複数組み合わせることが、電力の安定確保につながります。
平時から「ローリングストック」の考え方で、キャンプなどでポータブル電源を使い、使ったら満充電にしておく習慣をつけることが、最高の防災対策になります。
キャンプ場やRVパークの電源

アウトドアレジャーでポータブル電源の残量を気にせず、電気毛布や小型冷蔵庫、扇風機などを快適に使いたい場合、最も確実で簡単な方法が、AC電源付きのサイトを利用することです。
多くのキャンプ場やRVパーク(キャンピングカーなどで快適に宿泊できる施設)では、「電源サイト」「AC電源付き区画」「ACサイト」といった名称で、外部電源が提供されています。
これらは、区画ごとに家庭用と同じ100Vのコンセントが設置されており、ポータブル電源を自宅と同じようにACアダプタで充電できます。
電源サイト利用のポイントと注意点
- 利用料金:
サイト利用料とは別に、電源使用料として1泊500円~1,500円程度の追加料金がかかるのが一般的です。
料金体系は施設によって異なるため、予約時に確認しましょう。 - 電力上限:
施設によって異なりますが、多くの場合、使用できる電力に上限(例:1000W~1500W、または15Aまで)が設けられています。
この上限は「サイト全体」での合計値です。
例えば、ポータブル電源を充電(300W)しながら、ホットプレート(1300W)を使うと、合計1600Wとなり上限を超え、サイトのブレーカーが落ちてしまいます。
高出力家電の使用は時間をずらす工夫が必要です。 - 事前予約:
電源サイトは数が限られていることが多く、非常に人気があります。
週末や連休はすぐに埋まってしまうため、必ず事前に予約し、「電源付きサイト」であることを明確に確認しましょう。 - 延長コードの準備:
コンセント盤がサイトの端に設置されており、テントや車から遠い場合があります。
10m~20m程度の屋外用の延長コードを持参すると安心です。
その際、コードリールは発熱の危険があるため全て引き出して使うか、防雨・防塵タイプのタフコードを選ぶことを推奨します。
特に「RVパーク」は、一般社団法人日本RV協会が認定する施設であり、快適な車中泊のために電源設備が標準的に整備されている場所が多いです。
キャンプ場やRVパークの電源を正規の料金を支払って利用することは、ルール上全く問題のない、最も推奨される外出先での充電方法です。
道の駅やEVステーションの利用

車中泊スポットとして人気の「道の駅」ですが、ポータブル電源の充電に関しては厳格なルールがあり、多くの誤解が生まれています。
結論から言うと、道の駅の施設内コンセントを無断で使用することはできません。
道の駅は、国土交通省の登録制度に基づき、「休憩機能」「情報発信機能」「地域連携機能」を持つ施設として整備されています。
あくまで休憩施設であり、宿泊(車中泊)や電力供給を主目的とした施設ではありません。
そのため、道の駅のトイレや休憩所、建物の外壁などにあるコンセントは、すべて清掃用や施設管理用の業務用コンセントです。
これらを一般利用者が許可なく使用する行為は、次に解説する「盗電」という犯罪にあたる可能性があります。
「誰も見ていないから」「少しだけなら」という軽い気持ちでの使用は絶対にやめてください。
ただし、近年は車中泊ニーズの高まりを受け、一部の道の駅では有料の「RVパーク」を併設している場合があります。
これらの施設では、正規の料金(キャンプ場の電源サイトと同様、数百円~)を支払うことで、合法的に電源を利用できます。
道の駅で充電したい場合は、必ず「RVパーク併設」や「電源サイトあり」の情報を事前に確認し、正規の手続きを踏んでください。
EVステーションは絶対に利用できません
道の駅や商業施設にある「EVステーション(電気自動車用急速充電器)」は、その名の通り電気自動車(EV)やPHEVを充電するためだけの専用設備です。
コネクタの形状も全く異なりますし、電圧や電流、充電を制御する通信プロトコルもポータブル電源とは根本的に異なります。
仮に何らかの方法で接続しようと試みた場合、ポータブル電源や充電器の重大な故障・発火事故につながるため、絶対にやめてください。
カフェでの充電はマナー違反?

外出先でPC作業やスマートフォンの充電ができるカフェは、ノマドワーカーやビジネスマンにとって便利な存在です。
しかし、ここに大容量のポータブル電源を持ち込んで充電することは、マナー違反となる可能性が非常に高いです。
重要なのは「規模感」の問題です。
カフェが(多くの場合、善意や顧客サービスの一環として)提供しているコンセントサービスは、あくまで「滞在中の顧客サービス」であり、ノートPCやスマートフォンのような数ワット~数十ワット程度の小電力デバイスの使用を暗黙的に想定しています。
一方で、大容量ポータブル電源の充電は、ACアダプタ経由で数百ワット、時には1000Wを超える電力を、数十分にわたり継続して消費します。
これは、施設側が想定するサービスの範囲を明らかに逸脱しています。
電力料金(例えば1000Whを充電すると1kWh=約30~40円)もさることながら、それ以上に店舗の電気設備(配線やコンセント)に想定外の負荷をかける可能性があります。
タコ足配線になっている場合、ブレーカーを落としてしまい、店舗の営業(レジやコーヒーメーカーなど)に深刻な支障をきたす恐れもあります。
ポータブル電源のような大型機器を充電したい場合は、たとえコンセントが空いていたとしても、必ず事前にスタッフの許可を得るのが最低限のマナーです。
「(注文をした上で)恐れ入りますが、業務用の機材(ポータブル電源)を少し充電させていただくことは可能でしょうか?」など、低姿勢で確認しましょう。
無断での充電は、店側との重大なトラブルに発展する可能性があるため、厳に慎むべきです。
コワーキングスペースなど、電源利用がサービスの主目的であり、利用料に含まれている施設であれば、ルールを確認の上で利用できる場合があります。
盗電のリスクと充電料金

公共の場で許可なくコンセントを使用する行為は、単なるマナー違反にとどまらず、明確な法的な問題に発展する可能性があります。
日本の法律(刑法第245条)において、電気は「財物(財産)」とみなされています。
条文には「電気は、財物とみなす。」と明確に記されています。
したがって、施設の管理者の許可なくコンセントから電気を使用する行為は、たとえ「電気代にしたら数円」という微量であっても、「窃盗罪(盗電)」に該当する可能性があります。
「コンセントがそこにあるから使っていい」という理屈は通用しません。
これは、他人の家の前に置かれた水道の蛇口から、勝手に水を汲んでいく行為と同じです。
問題の本質は「充電料金を払うか否か」ではなく、「他人の財産を許可なく使用したか否か」にあります。
たとえ後で電気代を支払うと申し出たとしても、許可なく使用した時点で窃盗罪が成立し得るのです。
「少しだけならバレないだろう」という軽い気持ちで、道の駅のトイレや公共施設の外壁、新幹線のデッキなどにある清掃用コンセントを使用する行為は、絶対にやめてください。
ポータブル電源の充電は、必ず「自宅」「許可された場所(キャンプ場の電源サイトなど)」「自前の発電設備(ソーラーや発電機)」で行うのが大原則です。
公共のコンセントは、基本的に「利用不可」と考えましょう。
ポータブル電源 どこで充電しても安全?知識編
- 長持ちさせる保管方法と寿命
- 充電しっぱなしはOK?パススルー充電
- PSEマークとUSB・充電器無しの注意点
- ポータブル電源 どこで充電するかの総括
長持ちさせる保管方法と寿命

ポータブル電源は高価な買い物であり、その中核部品であるリチウムイオン電池(またはリン酸鉄リチウムイオン電池)は、高性能ですがデリケートな特性も持つ消耗品です。
使い方や保管方法次第で、製品の寿命は大きく変わってきます。
安全に長く使い続けるために、適切なメンテナンス知識を身につけましょう。
保管時の最適充電量は「60%~80%」
リチウムイオン電池は、満充電(100%)の状態で保持されると内部電圧が高い状態が続き、バッテリーの電極材料が劣化しやすくなります。
逆に、残量ゼロ(0%)の状態で長期間放置されると、バッテリーが回復不能なダメージを負う「過放電(深放電)」のリスクを高めます。
0%のまま放置すると、バッテリー内部の電圧が下がりすぎ、二度と充電できなくなるのです。
このため、数週間以上使用しない場合は、60%から80%程度の充電残量で保管するのが、バッテリーへの負荷が最も少なく理想的とされています。
温度管理を徹底する
バッテリーの劣化に最も大きな影響を与えるのが「熱」です。
多くのメーカーが、動作・保管温度を「0℃~40℃」などと定めています。
40℃を超えるような高温環境、特に夏場の車内や直射日光が当たるベランダへの放置は、寿命を著しく縮めるため絶対に避けてください。
夏場のダッシュボードは70℃を超えることもあり、バッテリーにとって最悪の環境です。
また、0℃以下の低温環境もバッテリーの化学反応を鈍化させ、性能を一時的に低下させたり、低温下での充電が劣化を招いたりする原因となります。
定期的なメンテナンス(再充電)
長期間保管している間も、バッテリーは「自己放電」によって少しずつ自然に残量が減っていきます。
過放電を防ぐため、少なくとも3ヶ月から半年に一度は状態を確認し、残量が減っていれば60%~80%まで再充電(継ぎ足し充電)する習慣が大切です。
これにより、バッテリーを健康な状態に保つことができます。
充電しっぱなしはOK?パススルー充電

「充電しっぱなし」に関連してよく議論されるのが、「パススルー充電」機能です。
これは、ポータブル電源本体をコンセントで充電しながら、同時にポータブル電源からスマートフォンや家電へ給電(放電)する機能です。
まず、「コンセントに繋ぎっぱなし(充電しっぱなし)」自体についてです。
最近のポータブル電源は高性能なBMS(バッテリー・マネジメント・システム)を搭載しており、満充電になると自動的に充電を停止するため、過充電で即座に発火するような危険性は低いです。
しかし、前述の通り、常に100%に近い状態で保持することはバッテリーの劣化を早める要因になるため、長期間使わない場合は推奨されません。
パススルー充電とUPS(無停電電源装置)の違い
パススルー機能は、一見すると無停電電源装置(UPS)のように使えて便利です。
しかし、多くの専門家は、この機能の日常的な使用に警鐘を鳴らしています。
充電と放電が同時に行われる(あるいはそれに近い状態になる)ことで、バッテリーに大きな負荷がかかり、発熱を促し、結果として寿命を縮める可能性があるためです。
一部の高性能モデルでは、バッテリーを介さず直接外部へ電力を供給する「バイパス回路」を備え、バッテリー負荷を最小限に抑える設計(UPS機能付き)を謳う製品もあります。
ただし、安価なモデルのパススルー機能は、切り替え時に一瞬電力が途切れるため、デスクトップPCなどのバックアップには使えない点も注意が必要です。
結論として、メーカーがUPS機能などを明確に謳っていない限りは、パススルー充電は日常的に使うのではなく、必要な時だけ利用する機能と考えるのが賢明です。
また、就寝中などに充電しっぱなしにする際は、燃えやすいものの近くに置かない、高温多湿を避けるなど、安全な環境を確保しましょう。
UPSやパススルーについて、こちらの記事で詳しく取り上げています。
⇒ポータブル電源はUPSの代わりになる?専門知識と選び方
PSEマークとUSB・充電器無しの注意点

ポータブル電源の安全性を考える上で、「PSEマーク」は重要な指標ですが、消費者には知っておくべき「認証の隙間」が存在します。
PSEマークの「認証の隙間」
驚かれるかもしれませんが、AC100V出力を持つポータブル電源本体は、現行の電気用品安全法(PSE法)の規制対象外です。
経済産業省の管轄するこの法律では、「リチウムイオン蓄電池」はモバイルバッテリーのような直流(DC)出力製品(または指定された用途のもの)と定義されています。
ポータブル電源は交流(AC)を出力できるため、この定義から外れ、PSEマークの表示義務がないのです。
(出典:経済産業省「電気用品安全法(PSE法)の概要」)
このため、法的な「隙間」が生まれ、安全基準を満たしていない製品が市場に流通する可能性がゼロではありません。
真に安全な製品を見極める指標
消費者は、本体にPSEマークがあるか(表示されている場合、それはメーカーの自主的な取り組みや、DC出力部に対するものです)だけでなく、以下の点を確認すべきです。
- ACアダプターのPSEマーク:
本体は対象外でも、付属のACアダプター(充電器)は規制対象です。
ここに「ひし形のPSEマーク」(特定の基準を満たした証)が表示されていることは、安全な製品を選ぶ上での最低限の必須確認項目です。 - BMS(バッテリー・マネジメント・システム):
前述の通り、BMSは過充電、過放電、過電流、温度異常などから高価なバッテリーセルを守る「司令塔」です。
高性能なBMSが搭載されているかどうかが、安全性を見極める最も重要な要素と言えます。
安価すぎる製品は、このBMSの性能が低いか、必要な保護機能が省かれている可能性があります。 - その他の国際認証:
「UL認証」や「CEマーキング」など、国際的な安全規格を取得しているかどうかも、信頼性の一つの目安となります。
USB・充電器無しの注意点
最近では、コストダウンや環境配慮のためにACアダプター(充電器)が付属せず、「USB(Type-C PD)」での充電を前提としたモデルや、充電器無しモデルも増えています。
これらを選ぶ際は、ポータブル電源が要求する入力W数(例:100W入力対応)と、ご自身が用意するUSB充電器の出力W数が一致しているか、必ず確認が必要です。
W数が足りないと、充電が極端に遅くなったり、最悪の場合充電できなかったりするトラブルの原因となります。
GaN(窒化ガリウム)採用の小型で高出力な充電器を別途用意するのがおすすめです。
ポータブル電源はどこで充電するのかの総括
この記事では、ポータブル電源をどこで充電すべきか、その具体的な場所、方法、そして安全に利用するための法律やマナー、メンテナンス知識について詳しく解説しました。
最後に、重要なポイントをまとめます。
- ポータブル電源の充電は自宅のコンセントが基本
- 車中泊ではシガーソケット充電が可能だが速度は遅い
- 車のバッテリー上がりを防ぐためエンジン停止中の充電は厳禁
- 効率を求めるなら専用の走行充電器がおすすめ
- ソーラーパネル充電は天候や設置角度に大きく左右される
- 災害・停電時はソーラー、発電機、EV(V2L)が有効
- 発電機は一酸化炭素中毒に細心の注意を払い屋外で使用する
- キャンプ場やRVパークの電源サイトは最も確実な充電場所
- 電源サイトの利用は事前の予約と料金確認が必要
- 道の駅での無断充電は「盗電」という犯罪になる
- 道の駅ではRVパーク併設施設のみ有料で電源が使える
- EVステーションはポータブル電源の充電には利用できない
- カフェでの充電はマナー違反であり原則として控えるべき
- ポータブル電源を長持ちさせる保管充電量は60%から80%
- 高温環境での保管はバッテリーの寿命を著しく縮める
- パススルー充電(ながら充電)はバッテリーに負荷をかけるため常用は避ける
- ポータブル電源本体はPSEマークの規制対象外である
- 安全性の確認はACアダプタのPSEマークとBMSの性能が重要
正しい充電場所と安全な知識を身につけ、ポータブル電源をアウトドアや防災シーンで最大限に活用しましょう。
